吉永研 最新の研究事例

こちらのページでは2024年度の修士学生研究テーマを抜粋してご紹介します.

ネットワーク系の研究班では,「増大し続ける通信量への対応策検討」を課題と位置付けて研究に取り組んでいます.研究テーマのキーワードとしては “分散協調キャッシュ”,”D2D通信”,”基地局負荷低減”,”リクエスト量予測”,”配信画質制御”,”通信帯域割り当て”,”インセンティブ付与”,”車車間通信” などが挙げられます.

FPGA系の研究班では,「システムへのFPGA適用」を目的として多様な研究に取り組んでいます.研究テーマのキーワードとしては “ビッグデータ解析”,”FPGAオフロード”,”高速計算プラットフォーム”,”デジタルフィルタ”,”レイテンシ評価”,”低消費電力化” などが挙げられます.

ヒステリシス機構を導入した伝送画質制御

無線通信基地局から伝送する動画像データの画質を効率的に制御する方式を開発しています.通信の輻輳を検知する仕組みとヒステリシスの概念を取り入れることで,伝送レートを安定させ,バッファリング時間を大幅に削減しました.アクセスネットワークと呼ばれる領域への拡張が目玉となっており,アルゴリズムの改良や検証を引き続き行っていきたいと考えています.

周波数転用を活用したモバイル分散協調キャッシュ

私たちが普段から使用している通信周波数は有限です.そのため、ユーザの通信体験を高レベルで実現するためには工夫が必要になります.本研究ではD2D通信をモデル化し,帯域割り当て最適化を実装しています.アルゴリズムの適用により,D2D通信で未使用となる周波数帯をB2D通信に転用させることが可能になるという考えに至りました.様々なシチュエーションでの実験を行うことで効果の検証を行っています.

色タグを活用したインセンティブ情報に基づく通信制御

我々の研究室では色タグと呼ぶ制御情報をコンテンツとサーバに付与してキャッシングを行う手法を提案しています.本研究では色タグをフル活用し,ユーザごとに与えるインセンティブを情報化する取り組みを行っています.算出されたインセンティブ情報からネットワークのアクセス制御などを実行することで,リソースを最適に活用することができないか模索しています.また公平なネットワーク環境の実現もキーワードとして研究を進めています.

リアルタイム信号処理システムにおけるデジタルフィルタのFPGA実装

我々の研究室では,長年FPGAの研究を継続してきました.これらの知見を活かし,リアルタイム信号処理システムへの応用に取り組んでいます.複数のフィルタ長でFIRフィルタをFPGAに実装し,出力レイテンシと消費電力などの指標から DSP との性能比較を行っています.特にFIRフィルタ回路では,並列型とDA型の両者で実装することで各手法の定量評価が可能になりました.

専用ハードウェアを用いたデータベースクエリ処理に関する研究

収集したデータをビッグデータとして保存し,分析・応用する取り組みは現代において欠かせません.ここでビッグデータの解析では,膨大なデータ量に起因する処理の困難性が課題とされてきました.我々はFPGAを用いた専用HWを作成することでビッグデータを事前処理する方式について検討しています.近年では,複雑なクエリへの対応を視野に入れ,HWの設計・実装に注力しています.